差別と区別のあいだ

日々思ったことを書くブログ

「Go To トラベル事業」における、東京差別について ①はじめに

このブログのスタート地点

報道の通り、「Go To トラベル事業」は、東京都民を対象から外して、2020年7月22日から実施されます。
私は東京都民です。
「東京に住んでいるから」という理由だけで、他の道府県に住んでいる人にはもらえる国からの補助金が貰えない、なんて事態がまかり通るとはびっくりしました。
この驚き、くやしさ、疑問… などを記録し、同時に自分の考えもまとめたいと思ってブログを開設してみました。

おことわり

  • 特に、旅行業に携わる方、東京都民以外の方には、不愉快に思われる記述があるかもしれません。
  • 私は旅行業や法律に詳しいわけではないので、記述や認識に誤りがあるかもしれません。
  • 特定の政党や政治家を賛美する、もしくは蔑む意図はありません。

ブログのタイトル「差別と区別のあいだ」

今回の件について、ネットでのいろんな人の書き込みを見ていたら、「これは差別ではなく区別だから問題ない」という趣旨の記述があり、おもしろい理由だと思って、タイトルにしてみました。

東京都排除

「Go To トラベル事業」における“東京都排除”には2つの側面があります。

  • 東京都発着の旅行は対象外とする
  • 東京都居住者の旅行は対象外とする

本ブログでは、後者の方の問題について考えます。

なぜ問題と思ったか

それは、居住地によるレッテル張りに過ぎない、と感じたからです。
東京都を除外する理由は「東京都には新型コロナウイルス感染者が多い」からと言われています。

居住地による差別

例えば大学卒業予定者の就職での書類選考で、「この人の実家の地域は低所得者が多いから、きっとちゃんとした教育を受けておらず常識知らずだろう」という理由で不合格にしたら、法律違反かは別として差別的だと感じますよね。
それは、その人の能力を試験や面接、志望動機から判断せずに、出身地域という本人の能力によらないところから判断しているからですよね。
今回の件も私は同じだと思います。
東京都の感染者数が多いのは分かるが、それは割合からすれば東京都民のごくわずかではないか。
他の地域でも感染者はいるではないか。
隣接県居住者をはじめ東京に出入りする人はたくさんいるのに、なぜ「東京都に住民票がある人」が排除対象なのか。家で寝ている間にウイルスに感染するとでもいうのか。

正直者がバカを見ている

積極的な検査実施

東京都では、積極的な新型コロナウイルス感染の検査を実施しています。
最近は平日は3,000人以上を検査しているようです。
ここで、「東京の“Go To トラベル事業”開始は、感染者数が減ってきてからとする」ということであれば、私は検査自体を減らしてほしいと思ってしまいます。
でも、本来は違いますよね。
少しでも症状がある人、感染者と接触があった人は検査をしてもらって、陽性であれば重症化しないようにお医者さんに診てもらい、そして他の人に感染させないような処置を取ってもらう必要があります。
たくさん検査して、たくさん陽性者が出てきたら、その地域は国からの補助は対象外です、というのは個人的には納得しがたいです。

住民票の住所

「 東京都居住者」かどうかは身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードとか?)で確認するそうです。
特に、大学生や若い独身社会人で、住民票が実家にありながら東京に居住している人は少なくないと思います。
そうすると、正直に住民票を異動しているひとは“Go To トラベル事業”の恩恵を受けられず、住民票の異動を怠っているひとは国からの恩恵を受けられることになり、まさに正直者がバカを見る事態です。

どうしてほしいか(自問自答)

最善の策は、“Go To トラベル事業”を全国一律中止すること。
それができなければ、東京都の排除をやめること。
それも無理ならば、遅延なく東京都に対する代替案を実施すること。
 詳細は別途、別の記事で考えたいと思います。

旅行業を見捨てると言っている?

旅行業を救うことと、東京都・東京都民を排除した、不公平な政策を実施することを比較すれば、私は旅行業を救うことができなくても不公平な政策はやめるべきだと思います。
理由は、旅行業の救済は「経済」の問題であり、施策が不公平なのは「国民の平等」の問題であり、「経済」より「国民の平等」が重要であると考えるからです。
もちろんそれらが両立することが理想ですが、「東京都排除」は不平等としか言いようがなく、本当にそれしか案がないのであれば、“Go To トラベル事業”を実施せず旅行業で廃業が相次いでも、仕方がないことと考えています(もちろん、“東京都排除以外の解”があると信じており、本当に旅行業がつぶれればいいとは思っていません)。

東京都から全国に新型コロナウイルスが拡散してもいい?

もちろんそうならないことが理想ですが、移動自体が制限されていない以上、避けられないと感じます。
つまり、“Go To トラベル事業”において東京都民の旅行を対象外にしても、しなくても、結果は大きく変わらないかなという予想です(「東京都を目的地とした旅行」はどうかなと思いますが、詳細は別途、別の記事で考えたいと思います)。

本心は?

秋~冬には本格的な第2波が予想されているようなので(そうでなくても、毎年インフルエンザが流行する)、今のうちに旅行させてほしい(だから、東京都だけ開始を遅らせること自体が不公平と感じる)。

この記事の終わりに

次の記事から、この問題についてもう少し詳細に考えたいと思います。